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2010.7.21
第2回 島崎藤村 VS 田山花袋
1930年5月、田山花袋は病に伏せていた。2年前に脳溢血を起こし、さらに咽頭癌に犯された花袋。そのもとを訪ねてきたのは、友人の島崎藤村である。こんなときにこそ、友人の来訪はうれしいもの。だが、さすが作家同士というべきか、ちょっとお見舞いには似つかわしくないやりとりがあったようで・・・。
「田山君、死んでいく気分
というのはどういうものだね」

「・・・だれも知らない
暗いところに行くのだから、
なかなか単純な
気持のものじゃないよ」

「・・・苦しいかね」

「・・・苦しい」
このやりとりから2日後、田山花袋は58歳でこの世を去る。
ちなみに島崎藤村は、1943年、脳溢血で倒れ、71歳で死去している。
藤村は昏睡状態のなかで「涼しい風だね」という言葉を残し、それが最期の言葉となった。

